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耐震等級と制震ダンパーのお話し(後編)
こんにちは。営業の長谷川です。前回に引き続き耐震と制震ダンパーのお話しをさせて
頂きます。
前回のちょっとおさらいです。耐震には1~3までの等級があり、やっぱり最高等級の3が
良いです。だけど、地震の怖い所は「余震」です。2016年の熊本の地震では震度5以上の
地震が22回発生し、震度1以上では3,812回もの揺れが建物を襲いました。
これほど多くの揺れが起きると建物の耐震性能が劣化し、一度耐えた建物でも最終的に
破壊や破損が発生してしまうというお話をさせて頂きました。
そこで、今回は「余震」に有効な「制震ダンパー」の説明をさせて頂きます!
地震の揺れに対する対策として代表的なものに「耐震」「制震」「免震」があります。
それぞれをイラストにすると、
「耐震」・・・前回のブログに詳しく説明させて頂きましたのでそちらをご覧ください。
「制震」・・・制震装置(ダンパー等)を設置する事で地震の揺れエネルギーを吸収・抑制する技術です。
これにより、建物の揺れが低減し建物の損傷軽減に繋がります。
大きな地震や繰り返し揺れる余震に対して特に有効です。
「免震」・・・地盤と建物を絶縁し建物自体に地震の揺れを伝えない技術です。
建物と土台の間にダンパー等を設置し地盤と切り離す事で大きな地震に対して有効です。
繰り返す地震に対する対策では「制震」が有効なようですね。免震も対策としては良いの
ですが、比較的高額になる事が多く、木造住宅では制震ダンパー等の対策が良いと思います。
では、制震ダンパーにはどの位の効果があるのか?が気になるところですよね。
ダンパーには色々種類があります。ゴムや樹脂系、金属系、油圧系等があり、いずれも揺れに
対してダンパーが変形する事で作用し、地震のエネルギーを吸収してくれるという仕組みに
なっています。
弊社では油圧系の「αダンパーEX」という物を採用しております。
このダンパーの性能は下のイラストをご覧ください。
左の耐震工法の建物が3㎝の変位(動いた距離)に対して、制震ダンパーを取り付ける事で
1.5㎝の変位を半分程度と大幅に揺れを軽減してくれます!
これって、揺れが半分位になるって事ですよね!すごくないですか?
下のグラフは阪神淡路大震災の地震エネルギーでのシュミレーションをグラフ化した物です。
グラフの青い波形がダンパー無しの建物の揺れの大きさで、赤い波形がダンパーを設置した
場合になります。最大で55%も変位量を低減しているんです!
しかし、重要な事は制震ダンパー単体ではこれほどの効果は出ないんです・・・。
この効果が出るのは、あくまでも耐震構造の建物である必要があります。この耐震性能を
維持させ、揺れを低減される物が制震ダンパーの役割になります。
「耐震」+「制震ダンパー」の組み合わせでダンパーも最大の効果を発揮するのです!!
みなさんも、新築を建てる際には耐震構造と合わせて制震ダンパーを検討してください。
弊社では標準仕様として耐震構造に制震ダンパーを付けております。
では。営業の長谷川でした。